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MTR北角駅で下車し、予約した安宿を探しながら街を彷徨うあいだ、狭い通りにぴったりとはまって移動する小さくて背の高い乗り物にすっかり惚れ込んでしまいました。香港電車、英語ではTrainと呼ばれているチンチン電車、トラムです。外装は各々さまざまな全面広告で彩られており、なかには来週出展するアートバーゼル香港の全面広告を施されたものもありました。盛り上がる!

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多くの場合通りの中央をゆったりと移動しているトラムですが、終点北角では八百屋や肉屋、魚屋、屋台の衣料品屋やおもちゃ屋が並ぶ狭い市場を抜け、さらに狭いトラム専用の道ににゅるにゅると入っていきます。ここで行き先表示をハンドルでぐるぐると繰って変えたあと(表示がLEDの車両もありますが)、間髪入れず大通りに出、来た道を引き返していきます。トラム好きにはたまらない場所かもしれません。

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ようやく宿を見つけてチェックインしたころには、まだ午前中だというのに宿探しと前日の南丫島歩きですっかりくたびれていました。そこに香港人の知人から「終点のKennedy Townまでトラムに乗るといいよ、3.2ドルで香港のほとんど全てを見ることができるよ」との連絡。ありがたくその助言に従って、この日は西行きのトラムに乗ってから東向きに街歩きをしました。

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以来、離島からセントラルの埠頭へ戻るとは北角までMTRではなくトラムに乗るのがクセになりました。頻繁に停まり、ゆっくりと走るためか、どこか市民もトラムをナメているようで、おっさんが前をゆっくりと歩いたり、自転車がトラム専用道を走ったりします。トラムも激しく鐘を鳴らしたり、加速して追いつこうとするのですが、結局停車場が来てしまい、追いつくことはありません。同時に移民の家政婦さんからスーツの人、街の若者まで、香港のあらゆる層の足として親しまれており、非常に愛らしい乗り物です。

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市民の足だが、故障して道路上に立ち往生することもあるらしい。後からぞくぞく続くトラムが10台ほど数珠つなぎになり、前に進めなくなった車やタクシーがクラクションを鳴らしまくります。前後続のトラムの乗客と目が合うので、笑いながら待つばかり。多くの乗客は降りてしまいましたが、数十分したら動き始めました。ちょうど湾仔のあたりでした。

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↑故障したトラムから降りる人々を後続のトラムから撮る。

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こんなトラブルもやはり愛らしく、滞在中にすっかり香港トラム好きが高じて、帰国する日には湾仔のおもちゃ街でTiny製のトラムのミニカーを買って帰ったほどです。

以下、香港トラムが走る風景と、走る香港トラムからの風景です。

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