南丫島歩きの最後に訪ねた南丫漁民文化村は索罟湾上に浮かんでおり、香港の漁民の文化や歴史について地元の青年と話しながら学べる民俗資料館のような場所でした。水上生活者が使っていた船や儀礼をはじめとする人間の生活だけでなく、飼われている食用魚や巨大魚相手の釣り体験を通して、魚や魚の力についても知ることができるよい施設でした。掲示されていた施設認可証のようなものによると、300人乗ると沈むらしい。

それにしてもこの南丫島漁民文化村へ到達するのに一時間も彷徨うはめになるとは!文化村行きの船が発着するという埠頭に行ってもそのような気配は一切ありません。島の人はみな笑顔で「あっちだよ」と教えてくれますし、あるおじさんなどはなぜか子供用の自転車に乗って途中まで同行してさえくださったのですが、その方向へ行ってもレストランと土産物屋ばかり。レストランの客引きのおじさんと「まだお腹減ってないんだ~」などと苦笑いしながらすれ違うこと数回、ようやくある客引きのおばさんに「そこの土産物屋が文化村のチケット売り場だよ」と教えてもらって、チケットを購入することが出来ました。何度となく前を通り、店の中まで覗いた土産物屋でしたが、確かに看板を見ると「南丫島漁民文化村」とあります。なんのRPGだ!!

fisherfolk15
チケットを買ったときに見せられた写真の船が埠頭へやって来ました。
土産物屋の人が電話をすると、船上にいるおじさんが埠頭へやって来るらしい。オンデマンド。
それにしても水、透明です。

fisherfok16
これが目的地の漁民文化村ですが、ほかのいけす同様ごちゃごちゃしていて分かりづらい!

fisherfolk11
いろいろな資料が展示してあります。これはドラゴンボート。季節が来たら使うのかな。

fisherfolk13

fisherfolk12

fisherfolk01
奥へ進むと好青年がやってきて、「釣りカード持ってるよね?」と聞かれます。
カードを渡すと冷凍した魚を手際よく縄で縛った釣り竿を渡してくれました。太公望か。
「なにかこれは伝統的な漁法なの?」と聞いたら、「いや全然。ただ面白いからやるんです。」とのこと。なんじゃそりゃと思いながらいけすの大魚をしばらくちゃかして遊びましたが、エサを持って行かれて納得。魚を傷つけず魚の力を知るのに、これほどよいゲームはありません!
ほかに有料で、針を使った釣りも出来るようでした。

fisherfolk02
 カブトガニ、Horse Shoe Crab。中国語でも馬蹄蟹だそうです。
 
 fisherfolk03
結構重かった。

fisherfolk14
きれいでとても大きな魚だった。これも食べられるそうです。高いそうな。

fisherfolk04


fisherfolk05


fisherfolk06
うなぎ捕り器!
 
fisherfok09
fisherfolk07

fisherfolk08
写真資料も充実していますが、文化村自体が海上に浮いているためゆらゆらと揺れており、あまり熱中しすぎると酔います。

fisherfok10
水上生活者が40年前まで使っていたという船。中の竈や寝室、神棚も見ることが出来ます。
これだけでも大興奮だったのですが、まさかこの数日後、長洲島で現役の同型船を何隻も見ることになろうとは…。

fisherfolk16
じっくり二時間ばかりも漁民村を楽しんだあと、セントラルへのフェリーがやってくるのが見えたので、ふたたびオンデマンドおじさんの船で島へ戻り、香港島へ帰りました。