画師日鑑

お絵かきを生活の糧としている人の思考拠点。

2013年09月

hodo01


今年の夏に埼玉県長瀞の宝登山神社奥宮を訪ねた際、奥宮のすぐ隣にある茶店に長年お勤めしているというおばあさんから、ある興味深いお話を伺いました。


曰く、「もう何十年も前のことになるけれども…以前白と黒のおおかみさまを見たことがありますよ。私はおおかみさまだと思っているんだけど」とのこと。

どうも物事を現実的に考えがちな私は、とっさに数十年前ならばもうニホンオオカミはいないであろうから、おばあさんが見たのは恐らく野良犬だろう、しかしだとしたら狂犬病が怖いな…などと無粋なことを考えました。しかしおばあさんにお礼を言って奥宮からロープウェイ山頂駅まで山を降りる間、おばあさんがお話し下さったその「おおかみさま」は、たとえオオカミが生きていた頃の目撃証言であろうと、今日の目撃談であろうと、実際のニホンオオカミというよりは、ニホンオオカミのようなもの、そのような姿をしたこの山の気とでも言うべきものなのかもしれないな…などと思い、自分の考えの狭さを反省したのでした。

…ともすると私はとても貴重な人とお話できたのかもしれない…! 


When I visited Hodosan Shrine in Saitama Prefecture and met an old lady who have served for a tea house in top of the mountain for decades, she told me she had encountered a pair of black and white wolves which are she believes "Ohkami-sama" (The Wolf Gods). I do believe they are still living in people's mind today. 

wolf_800f


紙に鉛筆
31x31cm, 2011-2013

これまで度となく狼信仰に基づいた絵を描いてきましたが、描けども描けども飽きることがありません。
その中で、これは三峰神社と宝登山神社で頂いたオオカミのお札、そして三峰分社と思われる地元の鎮守の歳神さんを乗せておくための、神棚的な絵として描きました。いずれの神社も関東にある神社ですが、画中の植生は100%福島県会津は裏磐梯に取材しています。会津に狼信仰ってあったのかなぁ。

このページのトップヘ